習い事の月謝は医療費控除の対象になる?(国税庁で確認)
結論
医療費控除の対象は、医師・歯科医師による診療や治療の対価、治療や療養に必要な医薬品の購入費など「治療・療養」のための費用です(国税庁 No.1122)。健康増進や予防のための支出は対象外と書かれています。
子どもの習い事の月謝は、治療や療養のための費用ではないため、通常は医療費控除の対象と考えにくい支出です。
また、国税庁の所得控除の一覧(No.1100)に教育費や習い事の控除はありません。個別の事情で判断に迷う場合は、税務署に相談してください。
習い事の月謝は医療費控除の対象?
「子どもの習い事にこれだけお金を使っているなら、確定申告で何か引けないか」と考える方もいると思います。結論からいうと、習い事の月謝は、通常は医療費控除の対象と考えにくい支出です。理由を国税庁のページで確認していきます。
医療費控除の対象になるのはどんな費用?
国税庁のタックスアンサー「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」(令和8年4月1日現在法令等)には、対象になるものとして次のような例が挙がっています。
- 医師または歯科医師による診療または治療の対価
- 治療または療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪をひいた場合の風邪薬など)
- 通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用などで、通常必要なもの
- 義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯、眼鏡などの購入費用(診療・治療に直接必要なもの)
共通しているのは、病気やけがの「治療・療養」のための費用だということです。
対象にならないものは?
同じページには、対象にならないものの例も書かれています。
- ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金
- 健康診断の費用や医師等に対する謝礼金など(原則)
- 疲れを癒す、体調を整えるといった治療に直接関係のないもの
- 自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金
- 公共交通機関が使える場合のタクシー代
「健康のため」「予防のため」の支出でも対象外になるので、学びや体験のための習い事の月謝は、治療・療養のための費用とは性質が違うと考えられます。なお、このページには習い事や教育費についての直接の記載はありませんでした。
教育費や習い事の控除はある?
国税庁の「No.1100 所得控除のあらまし」には、所得控除として次の16種類が載っています(令和8年4月1日現在法令等)。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 特定親族特別控除
- 基礎控除
この中に、教育費や習い事の費用を差し引く控除はありません。子どもの習い事の費用は、税金の面では家計の中でやりくりする支出と考えておくのが現実的です。
判断に迷うケースは?
次のような場合は、一般の習い事と同じとは限らないので、自分で判断せず税務署に相談してください。
- 医師の治療の一環として、指示された運動や訓練を受けている
- 医療機関で行うリハビリテーションの費用
- 障害のある子どもの支援に関するサービスの利用料
当サイトはこうした個別のケースについて、対象になる・ならないを判断しません。領収書と、医師の指示の内容が分かるものを用意して相談するとスムーズです。発達が気になる子の習い事や福祉サービスについては発達が気になる子の習い事の選び方で整理しています。
税金で引けないなら、どこで負担を減らす?
控除が使えない分、ほかの方法で負担を軽くすることを考えます。
- 自治体の助成:大阪市の「習い事・塾代助成事業」のように、習い事にも使える助成をしている自治体があります(自治体の習い事助成)。
- 通い方を見直す:同じ分野でも、教室とオンラインで初年度の総額が大きく違うことがあります(オンラインと教室の違い)。
- 総額で比べる:月謝だけでなく、入会金・教材費・年会費を足した総額で比べると、思ったより安い・高いが見えてきます(年間費用の計算)。
よくある勘違いは?
- 「健康のための習い事なら控除できる」:スポーツや体操など、健康によさそうな習い事でも、国税庁のページでは予防や健康増進のための支出は医療費控除の対象外とされています。
- 「子どものためのお金だから扶養控除で引ける」:扶養控除は、扶養している親族がいることで受けられる控除で、習い事に使った金額を差し引くものではありません。所得控除の一覧に、教育費や習い事の費用を差し引く控除はありません。
- 「領収書を取っておけば何かに使える」:習い事の領収書は、医療費控除の計算には使いません。ただし、自治体の助成を受けるときに領収書や支払いの記録が必要になる場合があるので、整理しておくと役立つことがあります。
税金の扱いは毎年の法令改正で変わることがあります。この記事は国税庁のページの「令和8年4月1日現在法令等」の内容で書いています。確定申告の前には、国税庁の最新のページか税務署で確認してください。
習い事の費用で、家計の記録をつけておく理由
税金で引けない習い事の費用ですが、記録をつけておくと役立つ場面があります。
- 自治体の助成:助成を受けるときに、支払いの記録や利用の実績が必要になる場合があります(自治体の習い事助成)。
- 家計の見直し:月謝のほかに、教材・検定・交通費がいくらかかっているかが分かると、続けるかどうかの判断材料になります。
- きょうだいの計画:上の子にかかった総額が分かると、下の子が同じ習い事を始めるときの予算を立てやすくなります。
記録は、月ごとに「月謝」「教材」「検定」「交通費」「その他」の欄を作るだけでも十分です。年に一度合計を出して、文部科学省の調査の平均(公立小学校の学校外活動費 年約25.6万円)と並べてみると、わが家の位置が分かります(小学生の習い事の費用の平均)。
まとめ
習い事の月謝は、治療・療養のための費用ではないため、通常は医療費控除の対象と考えにくい支出です。所得控除の一覧にも教育費の控除はありません。医師の治療の一環など判断に迷う場合は、自己判断で申告せず、領収書と医師の指示が分かるものを持って税務署に相談し、負担を減らしたいときは自治体の助成や通い方の見直しを検討しましょう。
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よくある質問
- 習い事の月謝は医療費控除できる?
- 国税庁のタックスアンサー(No.1122)では、医療費控除の対象は医師・歯科医師による診療や治療の対価、治療や療養に必要な医薬品の購入費などとされ、病気の予防や健康増進のための支出は対象外とされています。習い事の月謝は治療や療養のための費用ではないので、通常は対象と考えにくい支出です。
- 教育費の控除はある?
- 国税庁の「所得控除のあらまし」(No.1100)に載っている所得控除は、雑損控除・医療費控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄附金控除・障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除・配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・特定親族特別控除・基礎控除で、教育費や習い事の控除はありません(令和8年4月1日現在法令等)。
- 医師に勧められた運動やリハビリは?
- 医療費控除は「治療又は療養に必要なもの」かどうかで判断されます。医師の治療の一環なのか、一般の習い事なのかで扱いが変わる可能性があるので、当サイトでは判断しません。領収書と医師の指示の内容を持って税務署に相談してください。
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出典・確認した情報
- 国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費(2026-11-02確認)
- 国税庁 No.1100 所得控除のあらまし(2026-11-02確認)